農学部の学生たちが作った「マイ阿見マップ」
―蕎麦屋、カレーパン......趣味?嗜好からスタートしたテーマ マップ作り
農学部の髙瀬唯講師の研究室の学生たちが、こだわりの切り口から阿見町の魅力を発信する「マイ阿見マップ」を作成しました。昨年春よりWEBでのリサーチや町内での訪問取材を進め、生活者目線に立った散歩マップができました。学生たちは3月で卒業しますが、今後はよりオフィシャルな活動として展開したいということです。
【農学部の学生たちが作成した「マイ阿見マップ」】
https://welcometoibarakilandscapelab.wordpress.com/myamimap/
「マイ阿見マップ」の作成を手がけたのは、髙瀬講師の研究室に所属する4年生(3月で卒業)の吉富瑠夏さん、吉田泰河さん、塩澤敬祐さん、王千豪さん、榎戸佑佳さんの5人です。
きっかけは、髙瀬講師が2019~2021年度に阿見町の観光プロデュース推進委員を務めたことでした。
「専門家の委員として参加するだけではなくて、阿見町の観光に大学として貢献できるような何かを草の根的に始められないか、そう思っていたんです」と髙瀬講師。そんな折に、阿見町を拠点に活動している経営コンサルタントで、阿見観光ガイドの幹事を務めている筧田聡さんと地域デザイン学会の場で出会い、学生たちが関われるような活動の検討が始まりました。
阿見町には高速道路のインターチェンジに直結した「あみプレミアムアウトレット」がありますが、ショッピングを楽しんだ後、そのまま町内に残って回遊するという人はあまりいません。実は魅力的なスポットやおいしい食べ物も多いのですが、茨大農学部に進学して阿見町と縁ができた学生たちに聞いても、「家とキャンパスを往復するだけ」「観光スポットとかはわからない」という感じで、あまり認知されていないようです。
そこで髙瀬研究室では、1つのテーマに特化した地図(テーママップ)を作成することに。その「テーマ」については、「まずは自分の趣味?嗜好でOK!」ということで、4人の学生たちはそれぞれの切り口で取材に取り組みました。
そうしてできたのが、たとえば「クリームパン」に特化したマップ。
これはクリームパンが好きだという吉富さんが、阿見キャンパスから澳门皇冠,澳门现金网しやすいパン店を回り、各店舗のクリームパンを実際に食べて「クリームの量」「クリームの甘さ」「クリームのなめらかさ」という3つの視点で評価し、まとめたものです。記事と連動したGoogleマップを参照しながら、気になった店舗へ気軽に出かけることができます。
その他、アンパン、カレーパンの情報もピックアップ。まさに「趣味?嗜好」から出発した、生活者目線のユニークなマップになりました。
もちろんパンだけではありません。蕎麦屋(阿見町は蕎麦の名産地です)マップや散歩コースのマップも作成しました。
蕎麦屋マップを担当したのは、塩澤さんです。「自分の趣味から始まっている分、それをいかに他の人にもおもしろく見せるか、という工夫が必要でした。自分の感想、ブログのようなものになってはいけないので、統一の評価項目を作って、できるだけ客観性をもたせて見せられるようなものにしました」と塩澤さん。
実は5人の学生たちにとって、不特定多数の人たちの目に触れるようなWEBコンテンツを一から作成するのは、初めての体験だったそう。趣味?嗜好というプライベートな側面と、みんなが使える観光マップというパブリックな側面との間のちょうど良い具合を探りながら、魅力的なコンテンツに仕上げていくことは、大きなチャレンジだったようです。
出来上がった地図を見て、筧田さんは「情報として安定していますよね。どこのお店も公平に評価しようという姿勢が見えます」と評価します。
その筧田さんのコーディネートにより、2月20日には、学生たちが阿見町の千葉繁町長のもとを訪ね、「マイ阿見マップ」の作成を報告。阿見町の施策や課題について懇談も行いました。観光面だけでなく、手厚い子育て支援政策が人口流入につながっているといった話もあり、「自分たちのような大学世代からは見えないような町の魅力も理解できた」(吉田さん)とのこと。
今回「マイ阿見マップ」の作成を手がけた学生たちは3月で卒業しますが、「観光協会のホームページなどにも載るようになったら嬉しい」(塩澤さん)など、今後の展開にも期待を寄せます。
髙瀬講師も「ひとつのテーマ、まなざしをもって地域を見える化するということを、もっといろんな切り口でやってみたいです。今のところは草の根として始めたところなので、今後はよりオフィシャルな活動に昇華させて、いろんな人を巻き込んでいきたいです」と語りました。
「マイ阿見マップ」、阿見キャンパスで学ぶみなさんもぜひご利用ください。また、今後の活動の情報も要チェックです。